財産をもたらして下さる観音菩薩・如意輪観音菩薩
密教に於ける仏像とは、何か? 仏教の信仰対象である仏の姿を表現した像のこと。仏の世界にも大きくわけて4グループに分類されています。細かく紐解き説明し、日々の生活に役立たせたいと思います。

変化菩薩様の中では、最後に生みだされた観音菩薩とされています。
日本では、天平時代から仏像がつくられていました。
如意輪観音は、如意宝珠と輪宝をもっているのが特徴です。
如意宝珠は、意の如く願望を成就させ、無数の宝を出現させます。

輪宝は、その形は刃を備えた車輪をかたどったもので密教法具であり、かつ強力な災厄除けの力を発揮します。又、煩悩を打ち砕く法具でもあります。

その多大な力によって、人々に財産をもたらせ、出家者(僧侶)には、福徳智慧を与えてくださる、密教的な菩薩様です。

平安時代には、災害や疫病を防ぐ息災法としての如意輪法が盛んになりました。
密教寺院の本尊としても祀られ、多数の名作が生まれました。
京都・伏見区世界遺産 真言宗醍醐寺派総本山の上醍醐と下醍醐の如意輪観音は、大変美しく素敵な如意輪観音菩薩像です。

如意輪観音の形
如意輪像は、経典に書かれている容姿の特徴の一つに腕(臂 「ひ」)が二臂・四臂・六臂・十臂・十二臂などの姿が記されています。
日本の如意輪像は、二臂と六臂の像が多く見られ、平安時代は、六臂の密教像が大半を占めていました。
密教特有の六臂像は、左足の裏の上に右膝を立てて座る輪王座が一般的に多いです。
右の一番上の手は、頬に当てています。
左の一番上の手は、台座に置いています。
如意輪観音像を見ていると、どことなく、くつろいでいるように見えます。
財や福徳をもたらす仏様ですので、とても高貴で余裕か有るように感じます。
その余裕の姿が、この菩薩像の特徴だと思います。

右の第二手は胸の前で如意宝珠をのせ、第三手は数珠を持ち、下に下ろしています。
左の第二手、第三手は、それぞれ輪宝と蓮華をもっており、輪宝は肩のあたりで揚げられ、蓮華は、胸の前に持ち上げています。

日本三大如意輪観音で有名な、兵庫県神呪寺の秘仏の如意輪観音は、弘法大師空海作です。
年1回の御開帳で5月中旬です。
ぜひ、一度参詣ください。
