【新年早々、膵臓に癌が見つかり癌と戦う数ヶ月間・そして願掛けの為、薬師如来を彫る開眼法要とノミ入れ式を執り行なった!】

お不動さん

2021年05月03日 10:51




昨年の暮れ年内最後のブログを終らせた頃、体調をくずし医師に即入院と言われながら、予定が入っていた為に直ぐには、入院できませんでした。
12月24日の団体の特別護摩祈祷を無事終了して、25日から30日まで検査入院でした。全身にかゆみが止まらずかきむしり、異常を覚えました。
新年4日に消化器内科外来。
結果、内臓の奥の所に(膵臓)2cmの腫瘍がありその切除の手術が必要あり、とのこと!
これから、6週間の抗がん剤治療。
その後、10時間の大手術。
そして、1年間の抗がん剤治療が始まる。
思っていたより抗癌剤治療は、ハードで食欲が無く10kgも痩せ・貧血で倒れる辛さがありました。
僧侶として、寺の住職として多くの病気平癒や癌封じ・健康祈願を護摩祈祷してきましたが、まさかの自分が!?という驚きとショクは隠しきれません。
多くの皆さまから、励ましのお言葉や応援をいただきました。
ですが、私は僧侶であり負ける訳にはいきません。
勝龍寺の勝は、「自分に勝つための勝」である。
一日、一日、自分を奮立たせて、悔いのない人生をおくるぞ!と病に勝と発心いたしました。のんびり病と向き合いぼちぼち向き合えれば良いのかと構えていました。
ですが、祈祷依頼が多く何とか法務だけは、やり抜こうと思いフラフラになりながら厳修いたしました。

そんな情況のなかで、3月4日に入院し9日に手術が決まり、その後3週間の入院になるそうです。3月中の退院をめざしたのですが、結果的にのびました。
自宅で大変な時に、薬師如来仏像を彫ろうと心にきめました。
薬師如来は、お医者さん的な仏さまで古くから(平安時代から)慕われた仏です。
とりあえず、木に薬師如来の絵を描き、入魂とノミ入れ式まで出来ればと準備いたしました。
昨日28日は、不動明王の縁日でもあり、薬師如来の入魂とノミ入れ式の護摩祈祷にて執り行ないました。





退院後の彫り始めになりますが、いまからワクワクが止まりません。
10時間の長い手術で心配や不安でありますが、多くの方の応援や励ましが大変勇気づけられたことに心から感謝いたします。

この度の病名は、膵臓癌・ステージ2Bでした。手術名は膵頭十二指腸切除術という大変難易度の高い手術でした。膵臓の先端部(十二指腸に膵臓が繋がっている)に癌細胞が有り、その癌細胞が癒着している先端部分と十二指腸の一部を切断して悪い所を取り除いた後、縫い合わせるという大変な手術だと聞きました。実に手術だけの実時間は、9時間50分であり総時間は11時間50分という半日も掛かった大手術でした。
素晴しい担当医との出会いもあり、沖縄県豊見城市にある友愛医療センターの消火器外科部長大田 守仁先生です。大変慎重であり腹の切り口は大変綺麗な状態でした。本当に気さくで物腰も柔らかく何でも話せて、腕がとても良い先生です。
ですが、長い時間の大手術を経てのICUでは、患部(切り落とした部分)が痛く、のたうち回っていました。一番ビックリしたのは、体から出ている管の多さで、10本ぐらいはありました。その状態で、次の日からのリハビリで約50Mを歩行器で歩かされた事です。リハビリの人が、「これは、世界基準ですよ!」と言っていましたのが驚きでしたが、気合を入れて歩きとうしました。
術後5日目に、一般病棟に移りました。それからが入院生活の長いこと長いこと。





予定では月末には退院予定でしたので重なる法務を予定に入れてしまいましたが退院はまだ無理との事。胆汁・膵臓からでる汁が多いとの事でした。予定は変更できませんので、先生に相談しましたら、官とその先に着けている廃液ボトルを付けたままであれば、外泊は大丈夫との許可を頂き31日・1日と2泊の外泊で法事と二回の護摩祈祷の法務を執り行ないました。体力的にも不安であったので、福岡の弟子川口俊明僧正にサポートをお願いし無事法務ができました。
この2組の方々は、願うことが重く一組目は、お母さんが乳癌で3ヶ月後に乳癌切除手術と家庭内の問題。2組目は、離島の石垣島からいらして、家族の先祖供養という、重い内容でした。
護摩祈祷も無事に2組とも終えられ、心が晴れ元気な心を取り戻せられて帰路、に着かれました。
仏さんに守られている感じがあり、声のかすれがだんだん良くなりまわりの人たちも驚いていました。私は業をしている時が一番体調が良い状態で天性のものなのかと思う時があるのです!





病院に戻り約一週間やっと退院出来る事に成りました。
振り返って今年に入り約3ヶ月間、癌と闘い大変でした。こらから約一年間は、薬による抗癌剤治療が続き、さらに1年間発症が無ければ医学的に完治となるそうです。これまで、多くの方々に応援のエールや慈悲を頂き感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだこれからも癌と戦う日々が続きますが、法務をしている時が一番体調が良いのです。太田先生も話していましたが、「ストレスのない生活が一番良いですよ。」と言う話に「先生は坊さんみたいな事を話す。」と笑い話になりました。





また、これからご縁の方ともお会いできますし先日開眼ノミ入れ法要をした薬師如来をやっと彫り始められます。
頂いたこの命を大切に、こらからも尚一層、精進し人々のお役に立つ僧侶で在りたいと思っています。

今年に入りブログをやり始めて、初めて4カ月も休んでしまいましたが、これからも定期的にブログを更新してまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。







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