【護摩について】
火は生命に、また、生命は火に喩えられます。
ですが一方で、火は火災や戦火といった死・災いも同時に連想させます。
しかし、護摩の儀式の火は神聖さ、如来の叡智としており、護摩の炎の中に投じる供物は人間の煩悩としております。護摩行を執り行うことで、神仏に敬意を表して供養し、真言を唱えることで祈願を成就させるのです。
護摩の起源として、紀元前2000年頃のバラモン教とされております。供物が火焔にのり、天に昇って神々がそれを口にし、神々が魔物を退治して世の中が安定すると信じられてきました。
時代が進んでいくと、儀式的な要素だけではなく、哲学的な要素も含まれてきます。神々を信仰し、呪文を唱えて自分自身と宇宙と一体となる。そういう思考です。そして、仏教にも取り入れられて、仏法擁護に重要な意味を持っております。即身成仏の理念は、ここからきております。
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