沖縄県那覇市の密教護摩祈祷、祈願寺

密教に於ける仏像とは、何か？　　仏教の信仰対象である仏の姿を表現した像のこと。仏の世界にも大きくわけて4グループに分類されています。細かく紐解き説明し、日々の生活に役立たせたいと思います。




昔から不浄除けの神様として、寺院などの手洗所に祀られ、厠の守護神とされているのが烏枢沙摩明王です。




烏枢沙摩明王とは、「ウッチュシュマ」というインドの名をそのまま漢字に写したものです。
意味は、不浄金剛、穢跡金剛（えしゃく）になります。
一切の穢れを焼き尽くす明王とされ、忿怒相で複数の腕をもち、火焔に包まれた姿です。





烏枢沙摩明王の形
烏枢沙摩明王は彫像や絵巻などに残る姿が一面六臂や、三面八臂です。
他の明王に比べて表現にばらつきがありますが、主に右足を大きく上げて片足で立った姿であることが多いようです。
髪は火炎の勢いによって大きく逆立ち、憤怒相で全ての不浄を焼き尽くす功徳を表しています。
また複数ある手には輪宝や三鈷杵、弓矢などをそれぞれ把持した姿で表現されることが多いです。











烏枢沙摩明王の伝説話
お釈迦様が、涅槃に入ろうとしたとき、梵天王は快楽にふけって見舞いに来ようともしませんでした。
釈迦の弟子たちが呼びだそうとしましたが、梵天王は自分のまわりを不浄なもので囲んで近寄らせませんでした。
そこで、烏枢沙摩明王が迎えに行き、不浄物を燃やして大地に変え、梵天王を連れてきたそうです。

涅槃・・・涅槃とは、全ての煩悩の火が消滅した、安らぎの境地のことをさします。人間が持っている本能から起こる、心の迷いがなくなった状態のことをいいます。
涅槃は、釈迦が悟りの境地に達して死んだことから、迷いで燃え盛る火が消え、悟りに入った境地という意味になったといいます。涅槃は釈迦の死を表す言葉でもあります。陰暦の2月15日が釈迦入滅の日とされています。

梵天王・・・梵天は、仏教の守護神である天部の一柱。古代インドの神ブラフマーが仏教に取り入れられたもので、十二天に含まれる尊格。




烏枢沙摩明王は「変成男子の法」という秘法でも知られています。
この秘法とは、胎内に宿った女児を、男児に変成させるというものです。
平安時代には、男子を欲しがる貴族皇族のお家騒動の問題で、この法がもてはやされたそうです。