もとはインドの大魔神であった・大黒天
密教に於ける仏像とは、何か? 仏教の信仰対象である仏の姿を表現した像のこと。仏の世界にも大きくわけて4グループに分類されています。細かく紐解き説明し、日々の生活に役立たせたいと思います。

大黒天というと、福々しい温和な姿で打ち出の小槌と大袋をもつ七福神のひとつとして知られ、福の神として多くの人に愛されています。
源流のインドでは、福の神どころか、忿怒の形相で戦闘の魔神でした。
インド名では、「マハーカーラ」です。
「マハー」は、大。
「カーラ」は、時または、暗黒の意で、訳せば大時や大黒となります。
シヴァ神の一化身で、いわばブラックホールのように全てのものを吞みこんで無にする暗黒破壊の神であるそうです。

密教においては、大きな神通力を持ち人の生き血や人肉を食らっていた悪魔・荼枳尼(だきに)をこらしめ、改心させるために、大日如来が忿怒の形相をあらわした姿です。
髑髏(どくろ)の首飾りをし、手には剣を持ち、合掌した人間の髪や羊に角をつかみ上げ、四方を睨みつけるという恐ろしい姿をしています。
不動明王秘密陀羅尼経のなかの不動明利盆和讃野中に、
「不動明王御本地は大日如来のあみだ佛 金比羅秋葉の御社もその外霊尊あらたなる 諸国の霊場奥の院 不動の御本地多りき衆生の意に従いて 大黒天と現われて 荼枳尼(だきに)の障化を止給」
とあります。

いっぽう唐で成した「大黒天神法」によると、烏帽子・袴姿で右手の拳を腰に当てて、大袋を左肩に背負う姿とあり、その厨房神・財神としての神格が日本で広まりました。

「ダイコク」つながりで、その背景から神道の大国主命(おおくにぬしのみこと)と習合し、民間信仰が広がりました。
大黒天の形
密教の胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅外院に伝えられています大黒天は、戦闘神としての性格が強調されています。
三面六臂の忿怒像としてえがかれています。

大黒天のご真言
オン マカキャラヤ ソワカ
オン マカキャラヤ ソワカ


七福神のひとりで、福の神と知られている大黒天です。
私達が日頃慣れ親しんでいる笑顔がすてきな大国様は、見るだけでも福をもたらしてくださり豊かな気持ちになります

日本には、いろいろな大国様が祀られています。
大国様探しも良いかもしれませんね。
自分に福をもたらして下さる大国様に巡り会ってください。

ご縁と共に福も当来、することだと思います。
