密教の不思議な話 その2 (後編)
一切の苦しみを癒す 光明真言の功徳

光明真言(後編)です。
光明真言は、正式には「不空大灌頂光明真言」(ふうくうだいかんじょうしんごん)といいます。略して光言という。
「不空羂索神変真言経」(ふうくうけんじゃくじんぺんしんごんきょう)には、「大日如来および、十方三世(じゅぽうさんぜ)の諸仏が清浄蓮華明王(成道を願う求道者、仏弟子)のためにこの真言を説く」とあります。
この真言は、大日如来の真言であると同時にいっさいの諸仏諸菩薩の総呪であるとされます。
これを、奉持し読誦すれば、無量無辺の功徳あり、またこの真言を237回聞くものは、いっさいの罪障が消滅するとされます。
真言宗の法要などでは、亡者の罪障を消滅させる精霊回向に欠かせません。
この真言を唱えるときに一般在家は、大金剛輪印陀羅尼を7回程度と唱えます。
「ノウマク・シッチリヤ・ジビキャナン・サラバタタァギャタナン・アン・ビラジ・ビラジ・マカシャキャラ・バジリ・サタサタ・サラテイ・サラテイ・タライ・タライ・ビダマニ・サンバジャニ・タラマ・チシッダ・ギリヤ・タラン・ソワカ」
一切の罪障消滅という功徳があり、諸佛諸菩薩への供養の落ち度があった場合に、補足して頂けます。
ただ唱える時は御仏の御前にて懺悔し、心から赦しを願い、仏道に精進しようという決意を持たなければ、十全な法力は出ません。
そして、光明真言です。
真言宗の数珠を用います。数珠には108玉在ります。
「となえたてまつる光明真言は 大日普門の万徳を二十三字にあつめたり おのれを空(むな)しゅうして一心にとなえ奉れば 御仏の光明に照らされてまよいの霧おのずからはれ浄心の玉明(たまあき)らかにして 真如の月まどかならん」
「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん」
真言を108回念誦したら「とねえたてまつる光明真言は………」を繰り返します。
この繰り返しで、10回ローテーションを繰り返します。計1000の真言を唱えます。
ただし、これには伝授が必要なのでご連絡下さい。

将軍家の護持僧だった僧侶が、身分のいかんを問わず多くの信仰を集めていた。
ある藩主もその一人で、子供のころより吃音(言葉が円滑に話せない疾病、または障害)であるのに苦しんでいた。
その僧侶のすすめで光明真言を伝授して頂き、十万回真言を唱えてこれを見事に克服してしまった
光明真言によく用いられる加持として、土砂加持とゆうものが在ります。
密教の修法では,土砂を洗い清め,護摩を修し,本尊の前で光明真言を誦して行う加持。
その砂を病者に授ければ苦悩が除かれ,硬直した死体の上にまけば柔軟になり,墓にまけば罪過が消えるという。
光明真言の功徳はこのほか、貴人の敬愛を得る、魔性を降伏する、美貌を得る、いかなる神祇(天の神と地の神天神と地祇、天つ神と国つ神)や天部にも無上の法楽となるといった功徳があるといいます。